MENU
大会トピックス
優勝チームの軌跡
試合結果一覧
トーナメント表
フォトギャラリー
第89回全国高校野球選手権茨城大会
大会トピックス
2007/07/26(木)
常総2年連続甲子園 常磐大高下し11回目
常磐大高−常総学院 2年連続11回目の夏の甲子園出場を決め、駆け寄って喜ぶ常総学院ナイン=水戸市民
第八十九回全国高校野球選手権茨城大会最終日は二十六日、水戸市見川の水戸市民球場で決勝を行い、常総学院が常磐大高に8−3で逆転勝ちして優勝を決めた。常総学院が夏の甲子園に出場するのは、二年連続十一度目。
常総学院は初回に先制を許したが、三回に島根の中前適時打、中村の右前2点適時打で逆転。その後も着実に得点を重ねた。先発清原は3点を失いながらも踏ん張った。
常磐大高は初回、照沼と関根の連打を足掛かりに菊池の中犠飛で1点を先制したが、三回にエース菊池がつかまり3点を奪われた。五、九回にそれぞれ1点を返す粘りを見せたが及ばなかった。
全国選手権は来月八日に開幕。組み合わせ抽選会は五日に行われる。
2007/07/26(木)
車いすの少年最前列で声援
野球観戦で声援を送る古川諒君ら=水戸市民
三塁ベンチ最前列で声援を送る車いすの古川諒君は「朝6時半に家を出た。並んだのは5番目位だったかな」とニコニコ顔。
巨人の帽子をかぶった野球が大好きな少年は水戸養護学校に通う6年生。車いすではスタンドに入れないため「私が背負ってきました。車いすは高校生が運んでくれて。よく見える場所がいいんですよ」と、はしゃぐ息子を見つめて母親の真弓さん(46)も目を細めた。
試合中は「常総学院の捕手がかっこいい。応援が楽しい」と身体をゆすったり手拍子を打ったり野球観戦を思い切り楽しんだ。「僕も中学校で野球をやりたい」と夢を膨らませていた。
2007/07/25(水)
常磐大高 常総学院 26日決勝
東洋大牛久−常磐大高 初の決勝進出を決め喜ぶ常磐大高ナイン=水戸市民
第89回全国高校野球選手権茨城大会第12日は25日、水戸市見川の水戸市民球場で準決勝2試合を行い、常磐大高と常総学院が勝ち上がった。常磐大高は初、常総学院は2年連続での決勝進出となった。
常磐大高−東洋大牛久戦は両エースの投手戦とったが、常磐大高が八回に貴重な1点を奪って勝利した。常総学院は初回に2本塁打などで一挙7点を奪うと、終盤にも加点して粘る水戸葵陵を振り切った。
常磐大高と常総学院は26日午後1時から同球場で行われる決勝戦で甲子園出場を懸けて対戦する。
2007/07/25(水)
常磐大高・須田武志監督 先制奪い援護早く
常磐大高・須田武志監督(29)に戦い方のポイントなどを聞いた。
■準決勝勝利のポイントは
菊池がよく我慢して最後まで投げてくれた。16個の三振はびっくり。100点満点の投球。三振が欲しいときに取れた。関根もいいリードをしてくれた。
■ここまでの戦いを振り返って
ロースコアの試合が続き、戦うごとに選手たちは大きく成長している。特に精神的な部分が強くなっている。流れが悪くても後ろ向きにならない。
■決勝のポイントは
相手は横綱。いかに開き直って自分たちの野球ができるかだと思う。できれば先制点がほしい。少しでも早く菊池を援護してあげたい。
■決勝のキーマンは
須田 もちろん菊池。この大会は菊池で始まって菊池で終わるイメージを持って試合をしている。菊池が抑え、ロースコアの試合にしたい。
2007/07/25(水)
常総学院・持丸修一監督 球種絞って攻略を
常総学院・持丸修一監督(59)に戦い方のポイントなどを聞いた。
■準決勝勝利のポイントは
ピンチは続いたが、二回以外は複数点を取られずに1点ずつで済んだことが良かった。でも、初回の7点で選手が試合を早く終わらせたいと思ってしまった。
■ここまでの戦いを振り返って
初戦から相手うんぬんではなく、決勝戦を6回やるつもりで戦ってきた。もちろん勢いも大切だが、夏は勝つことが大事。明日は勝っていい締めくくりをしたい。
■決勝のポイントは
いかに菊池君を攻略できるかだと思う。それに尽きる。ここまで来ると、両方の投手ともバテているはず。早めに攻略したい。
■決勝のキーマンは
菊池君を攻略するためには左打者はもちろん、右の鈴木兄弟らにも打ってもらいたい。菊池君の球種のどれかに絞って攻略したい。
2007/07/25(水)
球児に熱い視線 水戸市スポ少の4人組
声援を送る水戸市スポーツ少年団の4人組
「高校野球観戦は初めてだよね」。水戸市野球スポーツ少年団の6年生仲良し4人組は、歓声を上げながら食い入るように試合を見つめた。
主将の高橋由樹君(浜田小)と照山勇太朗君(吉田小)は「高校生は声を出して気合を入れるのがいい。まねしたい」と興奮気味に話した。大谷竜一朗君(酒門小)は「テレビと違って迫力がある」と会場の雰囲気を満喫。ピッチャーの投球をじっと見ていた投手の西海勇希君(五軒小)は「新聞に常磐大高の菊池選手はすごい投手と書いてあった。すごく球が速い。あこがれる」と身を乗り出し瞳を輝かせた。
4人は「ずっと野球を続けて甲子園に行きたい」とあこがれの高校生に声援を送り続けた。
2007/07/25(水)
甲子園まであと2つ
第89回全国高校野球選手権茨城大会第12日は25日、水戸市民球場で東洋大牛久−常磐大高、常総学院−水戸葵陵の準決勝2試合を行う。昨夏覇者の常総学院、東洋大牛久は2年連続、常磐大高は2年ぶり、水戸葵陵は初の4強入りを果たした。2年連続11度目の優勝を狙う常総学院以外は、どこが優勝しても初の甲子園出場となる。106校が繰り広げてきた夏のドラマはいよいよ最終章に突入する。
常磐大高
防御率0・30の常磐大高・菊池
常磐大高は本格派右腕の菊池保則(3年)の存在が大きい。最速143?の速球に加え、切れの良いスライダーが武器で、準々決勝までの4試合でわずか1失点。防御率0・30と文句なしの投球。チーム打率は2割5分4厘だが、照沼卓也(同)、益子亘(2年)らが勝負強く、好機を確実にものにしてきた。
常総学院
速球、制球力が光る常総学院・清原
投打ともに圧倒的な選手層を誇るのが、連覇を狙う常総学院。昨夏の甲子園を経験している右腕清原大貴(3年)は、最速144?の速球と抜群の制球力が武器。久保田大城(同)、高畑涼(同)が控える。打線も鈴木朝也(2年)、土肥慎(同)らが好調で、四強の中では最高のチーム打率3割7分6厘を誇る。
東洋大牛久
多彩な変化球を駆使する東洋大牛久・鈴木康
東洋大牛久は右横手投げのエース鈴木康介(3年)が、切れのある変化球で相手打線を打ち取ってきた。打線は金子雄哉、川尻一成(ともに1年)ら、若い力が好調。足を使った攻撃も得意で、相手守備陣に揺さぶりをかける。準々決勝で第1シード藤代を下してチームに勢いがある。
水戸葵陵
マウンド度胸の良い水戸葵陵・真家
唯一のノーシード水戸葵陵は、強豪校との接戦を制してきた。2年生左腕の真家政司は、スライダー、フォークなど多彩な変化球を武器に、5試合すべてを一人で投げ抜いてきた。打線を引っ張るのは本塁打2本を放っている内山優史(3年)。さらに高打率の宮本和久(同)など、打線に切れ目がなく、どこからでも得点を狙える。
準決勝を勝ち上がった2校は順調に進めば、大会最終日の26日午後1時から水戸市民球場で、甲子園出場を懸けて決勝を行う。
2007/07/23(月)
はだしの12人が必死の声援送る 藤代
声を張り上げて応援する藤代応援団=水戸市民
白い学生服の胸に紫色の刺しゅうで「藤代」の文字。ズボンをまくり上げたはだしの12人が、水戸市民球場の一塁側スタンドから必死の声援を送った。
有志を募って応援団を結成したのはおよそ一カ月前。3年生9人、2年生3人が集まり、毎日たっぷり2時間練習してきた。踊りの種類は19パターン。「ヒットを打ったときの踊りがなかった。寂しいので今年新たに考えた」と団長の鈴木恭平君(3年)。
蒸し暑さと熱のこもった応援で流れる顔の汗をぬぐうのも惜しみ、「選手たちは頑張っている。暑いなんて言ってられません」。応援団は勝利を願って、誰よりも声を張り生徒たちの応援を引っ張っていた。
2007/07/22(日)
スコアボード手作業で掲示 県営球場
得点板を掲示する小林英樹君=県営
試合の行方を知らせるスコアボード。電光掲示の球場が大半を占めるなか、県営球場は手動式。生徒が、ボード裏から数字の書かれた縦約80?の板を掲示している。
きのうは茨城の市川卓実君(2年)、小林英樹君(同)、岡田純平君(1年)が担当。「窓が開いて風通しがいいので、今日は涼しいほう」と試合中は2つの小窓から目を光らせる。「試合に集中することです。全体が見えるから、ある意味特等席かな」。
得点を掲示するのが遅い時などは、バックネット裏の本部席からすかさず電話が入る。3人が恐れる一瞬だ。「厳しい言葉で怒られちゃうこともあるんです」と苦笑い。
2007/07/22(日)
甲子園へ“あと4勝” 水戸地区勢が健闘 8校が16強入り
〈3回戦〉常総学院−霞ケ浦 延長10回裏常総学院2死一、二塁、森田の中前打で二走・鈴木朝が生還しサヨナラ勝ち=土浦市営
■4回戦 “水入り” きょう仕切り直し
106校が出場した今大会も優勝争いはついに16校に絞られた。地区別に見ると、水戸8校、県南5校、県北2校、県西1校で、水戸地区の健闘が光る。シード校は上位8校を含む10校が勝ち上がったが、2回戦で敗れた茨城、日立一、水海道一、那珂湊一に続き、3回戦で水戸商、科技日立が姿を消した。
3回戦では、昨夏覇者の常総学院が霞ケ浦に3−2で延長十回サヨナラ勝ちを収めたほか、水戸葵陵が第11シード水戸商との投手戦を1−0で制するなど、好ゲームが多かった。昨夏準優勝の水戸桜ノ牧は第15シード科技日立に逆転勝ちし、清真学園は総和を下して21年ぶりの4回戦進出を決めた。
4回戦も好カードがそろった。なかでも左腕宮崎、右腕伊東卓を擁する土浦日大とエース郡司が率いる鉾田一の対戦に注目。ノーシードながら無失点を続ける2年生エース真家が引っ張る水戸葵陵と第6シード下妻二の対戦も面白い。初の8強入りを狙う清真学園、26年ぶりの準々決勝進出を目指す水戸一の戦いぶりにも注目したい。
2007/07/20(金)
真夏日少なく売れぬかき氷 県営球場
慣れた手つきでかき氷を作るアルバイト店員の神長翔平君=県営
県営球場一塁側の売店では夏の風物詩、かき氷の売れ行きが不調気味。例年ならこの時期は1日に100杯以上売れることもある。しかし、曇り空となったこの日は数杯程度。父親の代から30年以上、同球場で店を出している袴塚弘行さんは「売り上げは天気次第なんだよね」とうらめしそうに空を見上げた。
店員の神長翔平君(22)は「早く暑くなってほしい」と残念そう。球場でのアルバイトは今年初めてだが、かき氷を作る手つきは慣れたもの。素早い手さばきで完成させる。客が並ぶ長い行列を願い、日差しが照りつける真夏日を待ち望んでいる。
2007/07/19(木)
補助員球児も熱視線 水戸市民球場
真剣にボールの行方を見守る水戸一高野球部の仙波龍生君(右)と友部雄介君=水戸市民
スタンドにファウルボールが飛んでくると、電子ホイッスルを鳴らして素早くボールを追いかける補助員。水戸市民球場では水戸一高野球部の仙波龍生君(2年)と友部雄介君(同)が、観客席でボールの動きを真剣に見詰めた。
「お客さんにファウルボールが当たらないように気を付けて見ている。安全に見てもらえたらいい。重要な仕事」と頼もしく語る2人。それでも「時々試合にのめり込んではっとすることもある」と白い歯を見せた。
チームは3回戦進出を決めている。ベンチ入りしていない2人は「来年は絶対グラウンドに立ちたい」と目を輝かせていた。
2007/07/17(火)
笠間“名物”の稲荷ずし人気
笠間の“新名物”稲荷ずしを販売する沼田淳二郎さん=笠間市民
今年から茨城大会の会場に加わった笠間市民球場のスタンドでは、笠間の“名物”稲荷ずしが人気を集めている。山菜入りやシソで巻いたピリ辛稲荷ずしなど個性豊かな一品が、1パック2個入り200円で販売。売店に立つ笠間稲荷寿司推進会議議長、沼田淳二郎(65)さんは「1日300から400パック売れる。毎回完売」と満足げ。
沼田さんは高校時代、応援団の副団長。「野球の応援を見ていると昔を思い出してうずうずしてくる」と根っからの野球好き。球児たちのひたむきさに感動し、もらい泣きすることもあるという。「来年も出店して白球を追う選手たちを応援したい」と笑顔で語っていた。
2007/07/18(水)
潮来応援団20人精いっぱい声援
潮来の応援団と音楽部が力を込めて応援=県営
黒いユニホームの背中には「潮来」の大文字。潮来の応援団と音楽部が総勢20人と少人数ながら、県営球場の三塁側スタンドで全校生徒を先導して精いっぱいの声援を送った。
毎年有志を募って結成した応援団は7人。団長の臼井裕人君(3年)は「大会3週間前から放課後の2時間、毎日練習した。振り付けもみんなのアイデアを取り入れて考えた」と先頭に立って大声を張り上げた。
本来は5人の音楽部にも、この日のために他の生徒の協力で13人が集まった。部長の松信菜穂さん(3年)は「初戦を勝った時は本当に感動した。選手の力が出る演奏をして盛り上げたい」と気持ちを込めた演奏を繰り広げていた。
2007/07/16(月)
験担ぎで人気のカツサンド完売 水戸市民
球場の売店でパンや飲み物などを販売する大森志津子さん=水戸市民
「土日の売り上げがいいので、今回の台風は影響したねえ」と話していたのは水戸市民球場で飲み物やパンを販売する大森志津子さん(56)。“勝つ”という験を担いで人気のカツサンドは16日も完売した。
台風で2日順延になった2回戦初日のこの日は海の日で祝日。地元で第4シードの常磐大高や第1シード藤代の試合もあり観客は多かった。
「例年飲み物は持ち込みが多いからね。先週は涼しかったので、ホットコーヒーが出た。今日は暑くなったのでいつもより冷たい飲み物が売れている」と大森さん。「暑くなってお客さんがどんどん増えてほしい。梅雨明けが早く来るといいんだけどねえ」と客の切れた合間、売店仲間と和気あいあい会話を楽しんでいた。
2007/07/15(日)
体育館練習や休養 雨天順延、各チーム調整さまざま
予定されていた試合が雨天順延となり人けのない球場=県営球場
果たして幸運の雨となるか? 台風4号の影響で第89回全国高校野球選手権茨城大会は2日間の順延となり、いまだに2回戦を行っていない。開幕から1週間あまりが過ぎて、上位シードをはじめ初戦を迎えられずにいるチームも多い。各チームとも室内練習を行ったり休養を取ったりと、さまざまな調整方法で試合に備えている。天候が回復し、グラウンドコンディションも良好なら16日に再開し、2回戦12試合が行われる。
春の県大会を制した第1シード藤代は15日、朝8時から正午まで雨天練習場で打撃の練習や、体育館で走り込みなどを行った。菊地一郎監督(37)は「こういう時は体の切れを保つことが大切。室内でも走り込みを欠かさないようにしている。台風が来ていることは選手たちも分かっていたことなので、普段通り変わりない」と落ち着きを見せている。
昨秋の県大会覇者の第2シード明秀日立は、室内練習場がないため、校内の廊下で走り込みを行った。打撃練習は素振りのみで、投手の練習はできていない。それでも榎田恭士監督(35)は「昨年も同じ経験をしているし投打とも現在調子が良いので、全く心配はしていない。初戦へ向けて意識を切らさないように心掛けている」と話す。
連覇を狙う第7シード常総学院は、室内練習場で午前中に約2時間と練習は短め。持丸修一監督(59)は「室内とグラウンドでは打った感覚など全く違うので、変なイメージをつけないためにも短めに切り上げた。投手も自分自身がこういう時にどのぐらい投げ込めばよいのか理解している」と自信をのぞかせた。
第12シードの鉾田一は15日に予定していた練習を強い雨のため中止にした。川澄芳文監督(44)は「本当は打撃練習をしたかったが、家が遠い子がいることもあり、練習は行わなかった。ゆっくり休養をとることも練習のうちと選手に話した。順延になってかえってちょうど良い休養になったのでは」と話す。
1回戦で最多安打県記録となる36安打を放ち快勝した明野は、体育館で軽めの調整を行った。鈴木正良監督(38)は「初戦を良い形で勝ち、選手たちは試合をやりたくて仕方ないと思う。でも次に向けてあらためて調整し直すことができたのでむしろ良かった」と順延をプラスに考える。
雨が上がれば大会が再開される。それぞれの時間を過ごした各チームがいよいよ2回戦に登場する。
2007/07/14(土)
台風で2日間順延 全国高校野球茨城大会
雨天順延を知らせる看板が掲げられた=水戸市民球場
14日に水戸市民球場など計6球場で行われる予定だった第89回全国高校野球選手権茨城大会第5日の2回戦12試合は雨天のため順延となった。台風4号の影響が懸念されるため、15日も中止となり、試合は16日に行われる予定。これにより17、20の両日に予定されていた調整日がなくなる。
異例の2日間順延について、県高野連の藤枝武博理事長(58)は「関東地方に近づいている台風の多大な影響が懸念されるため、選手、応援団などのことを考えて早めに決断した。連戦になってしまうチームもでてくるかもしれないが、やむをえない」と話した。
この日、子供3人を連れて水戸市民球場を訪れた主婦(41)は「中止だと知らなかった。子供が野球好きで、ちょうど休みだったから見に来たんですけど…」と、雨天中止を知らせる看板を見て残念そうに帰っていった。
2007/07/12(木)
1回戦42試合振り返る
勝田−岩瀬 5年ぶりの勝利を決めて喜ぶ勝田ナイン=県営
■勝田、土浦二5年ぶり勝利
7日に開幕した第89回全国高校野球選手権茨城大会は10日までに1回戦42試合を終了した。14日からは2回戦に入り、上位シード校が続々と登場する。勝田、土浦二が5年ぶりの勝利を挙げたほか、本塁打は11本生まれた。コールド試合が23試合あった一方で、牛久が1回戦で唯一の延長戦となった麻生との激闘を制するなどの好ゲームもあった。これまでの熱戦を振り返る。
■明野1試合36安打 県最多記録1本上回る
5年ぶりの2回戦進出を決めたのは勝田と土浦二。勝田は岩瀬に2点を先制されたが、好機を確実に生かして逆転。土浦二は初回に3点先制すると、投手が踏ん張り、石岡一の反撃を抑えた。
コールドゲームが23試合あり、大差のついた試合も目立った。明野が37点、キリスト、鹿島がともに18点と、大量得点を挙げた。明野は上郷との試合で1試合最多安打県記録を1本上回る36安打を放ち、県タイ記録となる1試合8本の二塁打を記録した。
一方で、1点差ゲームは4試合あった。大子清流、三和、下館工は粘りを見せて逆転勝ち。つくば秀英は逃げ切って2回戦進出を決めた。そのほかに接戦となった好試合は、牛久−麻生、水戸一−佐和。牛久は延長十三回に及ぶ激闘を3−1で制し、水戸一は粘る相手を振り切って5−3で勝利をものにした。
本塁打は開幕試合での大子清流・仲野裕二(2年)の大会第1号を皮切りに、ここまで11本。球場別で見ると、笠間が4本、水戸市民と日立市民、県営が各2本、ひたちなか市民が1本となっている。
学校再編のために今年で最後の出場となる大宮は結城一を下し、松丘は古河一に敗れて2回戦進出を逃した。
大会第5日は14日、県内6球場で2回戦12試合を行う。春の県大会を制した第1シードの藤代は水戸市民の第1試合で大子清流と対戦。そのほか常磐大高−土浦三、キリスト−清真学園、東洋大牛久−藤代紫水など好カードがそろう。
2007/07/10(火)
応援団新結成生徒900人結束 水戸一
応援団委員会を中心に900人の生徒が結束した水戸一恒例の「全校応援」=日立市民
日立市民球場の三塁側スタンドで繰り広げられた水戸一恒例の「全校応援」。雨が降りしきる中、私服姿の生徒ら約九百人が校章入りのうちわを手に熱い声援を送った。
この大所帯を仕切るのは、有志十一人による応援団委員会。従来あった応援団が団員不足で解散したため、今大会に向け新しく結成した。一カ月間練習に励み大会に臨んだ団長の3年、深谷祐介君(18)は「応援は心でするもの。とにかく声を出そう」と全校生徒に呼びかけた。
全校応援は平日の試合のみだが、夏の大会が終わるまで続く。初めて参加した1年の渡辺文菜さん(15)は「伝統ある応援。高校生らしくていいな」とはにかんだ。
2007/07/09(月)
日立商 即席チア13人元気良く応援
元気いっぱいスタンドから応援する日立商のチアガールたち=ひたちなか市民
ひたちなか市民球場の一塁側スタンドに陣取った日立商応援団のほぼ中央部で13人のチアリーダーが元気いっぱいの応援を繰り広げ、「選手と一緒に試合をしている感覚。全員野球です」。グレーの上着と青いスカート姿の3年の川村理紗さん(17)は笑顔で話した。
同校のチアリーダーは例年、大会前に募集する。今年は硬式テニス部の3年生女子6人がそろって志願。6人は1年生からともにテニスに打ち込んだ仲で、同部顧問の大嶋洋教諭(43)は「まとまりが良い」と太鼓判。“即席チアリーダー”だが、3週間ほど連日の猛練習で、自分たちで考えた振りも交え15種類の動きを完成させた。
川村さんたちはインターハイ出場を逃したが、野球部員には「甲子園を目指してほしい。信じている」と声をそろえた。
2007/07/08(日)
笠間市民球場で夏の大会初開催 大勢のファン集まる
今大会から会場の一つになった笠間市民球場の開幕試合に訪れた多くの野球ファン
今年から夏の大会で使用されることになった笠間市民球場で8日から試合が行われ、大勢のファンでにぎわった。
初日のきのうは笠間市の山口伸樹市長が始球式に登場し、直球ストライクを決めた。中学時代は野球部で一塁手。直前に10球ほど投げて肩慣らししたが「不安でしたよ。でも野球は大好き」と照れ笑い。「この球場は高校野球を誘致する目的で建てられた。最近改修もした」。そのかいあってメーンスタンドは朝から高校野球ファンでいっぱい。
始球式で市長に続き“登板”した県西地区の小学五年生、嶋田貴憲君(10)と平間大輝君(10)も観戦し、引率者は「身近で試合があると、子どもたちの励みになる」と地元開催を喜んでいた。
2007/07/07(土)
甲子園目指し球児集結 闘志秘め106校火ぶた
全国高校野球選手権茨城大会が開幕。106校の球児たちがグラウンドに整列=水戸市民
第89回全国高校野球選手権茨城大会は7日、昨年より3校少ない106校が参加して水戸市民球場で開幕した。第1日は開会式後、1回戦1試合を行い、大子清流が那珂を3−2で下し、大子清流として夏の初勝利を挙げた。大子清流は1点を追う四回裏、仲野裕二(2年)の今大会第1号となる左越え本塁打で同点とすると、五回裏には藤田徳大(同)の2点適時二塁打で勝ち越した。第2日は8日、同球場など県内6球場で1回戦17試合を行う。
■開幕迎え気合十分 上位シード各校
○…106校の選手たちが一堂に集まった開会式で、上位シード校の選手たちはそれぞれの思いを胸に秘めていた。
春優勝の第1シード藤代の中野翼主将(3年)は「春の王者として自信を持って臨みたい。もちろん狙うは優勝」と春夏連覇へ向け力強く誓った。秋優勝の第2シード明秀日立の笹川恭平主将(同)は「やっときたなって感じ。初戦でも決勝でも負けたら同じ。優勝あるのみ」と自信を見せた。第3シード竜ケ崎一の古山一樹主将(同)は「チームの調子はすごくいい。どこが相手でもなめないで全力で戦う」と話し、第4シード常磐大高の米川訓成主将(同)も「モチベーションが上がってきた。楽しみながらも勝つ野球で甲子園出場を狙う」と意欲を見せた。
2007/07/07(土)
水戸女、大洗が式の進行に一役
入場行進で見事な演奏を披露した大洗高マーチングバンド部=水戸市民
○…開会式で106校の先導を務めた水戸女高と、式典演奏を担当した大洗高マーチングバンドの生徒たちは、ともに堂々とした姿で式の進行に一役買った。
昨夏優勝の常総学院を先導した水戸女高の杉山詩織さん(3年)は「(常総学院の選手たちは)すごい威圧感があった。きょうは七夕なので常総学院の2連覇を願掛けしようと思います」。大洗高マーチングバンドの飯島亮部長(同)は「今年は涼しかったのでそれなりに良い演奏ができた。大洗高の野球部が出られない分、選手の方には頑張ってもらいたい」と106校にエールを送っていた。
2007/07/07(土)
松丘“最後の夏” 部員16人堂々と行進
「松丘」として最後の夏に行進をするナイン=水戸市民
○…高校再編による統廃合で今年が最後の出場となる松丘は、部員16人が両手両足をきれいにそろえて堂々とした行進を見せた。
初出場は第66回大会。当時3年生は4人だったが、偶然にも今年の3年生も4人。「10年史を見て知った時は松丘の運命を感じた」と菊池貴大主将(3年)。3年生4人で始まり、4人で終わりを迎える松丘。当時は1回戦負けだっただけに菊池主将は「同じような結果にならないよう、最後の年を一つでも多く勝っていい形で締めくくりたい」と強い意欲を見せた。
2007/07/07(土)
常総・長谷川主将優勝旗を返還 連覇に自信満々
優勝旗を返還した常総学院の長谷川慶介主将=水戸市民
○…「先輩たちが勝ち取った優勝旗は重みがあった。必ず自分の手元に戻ってくると信じて渡した」。昨夏覇者の常総学院・長谷川慶介主将(3年)は、緊張した面持ちで優勝旗を返還した。
たくさんの観客で埋まったスタンドを前に「最初は緊張した」というが「いまはほっとしています」と安堵あんどの表情。しかし、気持ちをすぐに切り替えて「自分たちの野球ができれば勝てる。絶対に連覇して甲子園でベスト8以上を狙います」と自信に満ちあふれた表情で意欲を見せた。
2007/07/07(土)
江戸崎総合・石田主将が宣誓 感謝の気持ち込めた
選手宣誓した江戸崎総合の石田清貴主将=水戸市民
○…大観衆の前で選手宣誓の大役を果たした江戸崎総合の石田清貴主将(3年)は本番を終えると「人の多さに驚いて口が回らなかったが、練習通りにやるように心掛けた。80点の出来です」と振り返った。
授業の合間に考えたという宣誓の内容は、親や友だちにも見せなかったといい、「感謝という言葉を絶対に宣誓文に入れたかった。監督や親に感謝の気持ちを伝えたかったので(みんなに)伝わればいい」と笑顔。初戦に向けては「この緊張感を試合に生かして、江戸崎総合らしい守りの野球をしたい」と初戦突破を誓った。
2007/07/07(土)
石井さんと荒井さん 司会「2人で100点」
司会を務めた太田一マネジャーの荒井未佳さん(左)とキリストマネジャーの石井優香さん=水戸市民
○…「2人で100点だよね」と話したのは開会式で司会の大役を果たしたキリストのマネジャー石井優香さん(2年)と太田一のマネジャー荒井未佳さん(同)。「全く緊張しなかった。2人の息はぴったりだった」と視線を交わし笑顔で答えた。
前半を担当した荒井さんは「第一声で緊張が解けた。選手の思い出に残る開会式になったらいい」と振り返り、石井さんも「すごく充実感がある。注意していたところも間違わずにできた。選手の入場の様子を見て感動した」と満足そう。互いの労をねぎらってハイタッチし、充実した表情でマネジャーの仕事に戻っていった。
2007/07/07(土)
球児の夏開幕
第89回全国高校野球選手権茨城大会が開幕。次々と入場行進する106校の球児たち=水戸市民
夏の甲子園を目指す第八十九回全国高校野球選手権茨城大会は七日、百六校が出場して水戸市見川の水戸市民球場で開幕した。第一日は開会式と1回戦一試合を行い、大子清流が3−2で那珂に競り勝った。
開会式は午前九時から行われ、各校の選手たちは昨年優勝の常総学院を先頭に、水戸女高の生徒たちの先導に従い、大洗高マーチングバンドの演奏にのって堂々と入場行進。江戸崎総合の石田清貴主将(三年)が「感謝の気持ちを忘れず、最後まであきらめずに全力でプレーすることを誓います」と力強く選手宣誓した。
大会第二日の八日からは同球場のほか、ひたちなか市民、日立市民、土浦市営、県営、笠間市民の計六球場で試合が行われる。日程が順調に進めば決勝は二十五日午後一時から水戸市民球場で行われ、優勝校が全国高校野球選手権大会(八月八日から十五日間・甲子園)に本県代表として出場する。
2007/07/06(金)
夏のドラマスタート 本番控え入念にリハーサル
開会式を翌日に控えて繰り返し入場行進の練習を行う水戸女高の生徒たち=水戸市民球場
甲子園出場を目指す第89回全国高校野球選手権茨城大会は7日、水戸市民球場で開幕する。出場校は昨年よりも3校少ない計106校。水戸市民球場をメーン会場に、ひたちなか市民、日立市民、土浦市営、県営、笠間市民の6球場で計105試合を行う。日程が順調に進めば決勝は25日午後1時から水戸市民球場で行われる。
開幕を翌日に控えた6日は水戸市民球場で開会式のリハーサルが行われた。入場行進の練習には各出場校のプラカードを掲げる水戸女高の生徒たちや大洗高マーチングバンド部が参加し、行進の順路や段取りを細かく確認していた。
開会式で司会を務めるのはキリストマネジャーの石井優香さん(2年)と太田一マネジャーの荒井未佳さん(同)。荒井さんは「練習では最初のあいさつが特に緊張したけど、本番では選手が気持ち良く入場できるように頑張ります」と話し、石井さんも「間違わないようにしたい。3年生にとっては最後の大会なので頑張りたい」と意気込みを話した。
選手宣誓を行う江戸崎総合の石田清貴主将(3年)は「毎日仲間の前で練習してきた」と話し、本番を目前にして「丁寧にスタンドや選手たちに訴えかけるようにできれば」と話した。
式典音楽担当の大洗高マーチングバンド部は19年連続での参加。飯島亮部長(3年)は「本番では選手が歩きやすいようなリズミカルな演奏をしたい」と意気込みを見せた。
2007/07/05(木)
夢切符懸け熱戦 第89回全国高校野球茨城大会 7日開幕
全国高校野球選手権茨城大会がいよいよ開幕する。今年はどんな熱戦が展開されるのか=水戸市民(昨年の大会から)
球児たちよ、熱くなれ−。甲子園への切符を懸けた第89回全国高校野球選手権茨城大会は7日、水戸市民球場で開幕。優勝校は全国選手権大会(8月8日から15日間・甲子園)に本県代表として出場する。
参加校は昨年よりも3校減の106校。昨年出場した高萩工、大洗が部員不足のため不参加となり、太田二里美は県高野連から脱退。昨年、合同チーム「江戸崎」として出場した江戸崎、江戸崎西、江戸崎総合は、学校再編で江戸崎総合として出場。鉾田農は3年ぶりの出場となる。
その中で優勝争いは春の県大会を制して安定感のある藤代がリード。これを追うのが昨夏覇者の常総学院、昨秋を制した明秀日立、そして土浦日大。さらに、常磐大高、竜ケ崎一、下妻二、東洋大牛久も実力は十分。ノーシードでも土浦湖北、水戸短大付などが虎視眈たん々たんと上位をうかがう。
大会は水戸市民、ひたちなか市民、日立市民、土浦市営、県営、さらに今大会から使用されることになった笠間市民球場を加えた6球場で、13日間(11、12、13、17、20日は調整日、準決勝前日は休養日)にわたって熱戦が繰り広げられる。日程が順調に進めば決勝は25日に水戸市民球場で行われる。
白球のそばで<5> 元小川高のエース 真家和久さん
練習に励む全フィフティ小川の真家和久=小美玉市
■部の復活待つ“大先輩”
石岡市内の自動車ディーラー店で働く真家和久(30)にとって月曜日は週唯一の休日。だが、前日まで夜遅い仕事が続いても、決まって近くの運動公園に出掛け、仲間と練習に励む。「やっぱり少しでもうまくなりたいし、優勝もしたい」。球児の時と思いは今も変わっていない。
小川高出身。現在は小美玉市のクラブ野球チーム「全フィフティ小川」で投手を担う。高校時代は一年生から外野手としてレギュラーになったが、夏の県大会の成績は一、二年時の二回戦が最高。エースとして挑んだ三年時も霞ケ浦高に1−7で敗れ、その名が世間に大きく知られることはなかった。
けれども、「精いっぱいやった、充実した高校野球だった」と胸を張る。「今思えば、投球練習と打撃練習以外はずっと走り続けていた気がする。あんなきつい練習をよくできたなと思う。でも、あの苦しい練習があったからこそ、今の自分がある」
大学卒業後、現在のディーラー店で勤めだした。入社早々は「お客さんの要望があまりにも一人一人違うので驚いたし、戸惑った。つらいと感じたときもあった」という。だが、苦しい時に思い出すのは必ずと言って、高校野球の練習。「あれに比べれば何てことはない」。
全フィフティ小川は一九九七年創部。大学四年の時に同級生に誘われ入団。メンバーは会社員、自営業、公務員とさまざまで、週末の練習も場所が日ごとに違い、全員がそろうことはまずない。自身もほとんど全体練習には参加できず、休日と、仕事が終わった後の時間を利用して、自主練習をするだけ。それでも真剣勝負を求め、皆が野球を続けている。
最近、気掛かりなことがある。母校小川高が部員不足のため、不参加が続いていることだ。今年も不参加が決まり、これで三年連続。「先輩としてはつらいし、さびしい。高校野球を見る興味が半減する」と嘆く。
その上で、「もし野球がやりたい子が一人でもいれば、一緒にやりたい。一緒にやることで、少しでも刺激を受けてもらえれば−と思う。ここまで不参加が続くと、野球部がなくなってしまう。協力できることは何でもしたい。何とか小川高野球部を復活させたい」と呼び掛ける。
グラウンドから聞こえる選手たちの掛け声、金属バットの高音…。「無名の大先輩」は、その音を待っている。(敬称略)(おわり)
白球のそばで<4>ハンディ乗り越え 水戸聾学校
練習に励む水戸聾学校野球部のメンバーたち=水戸市千波町
■硬式見習い練習に熱
太陽が傾いたとは言え、まだ日差しが強い午後四時すぎ、水戸聾学校の野球部の選手たちが、いつものようにグラウンドで練習を始めた。「行こうぜ」。ナインを鼓舞する主将の丹波智晴(16)の大きな声が響く。練習用のユニホームを身にまとった選手たちは、縦横無尽に時間いっぱい白球を追い掛けた。
創部は一九五二年。現在は高校生四人、中学生六人の小さな所帯だが、過去には県高校体育連盟の公式戦で上位に進出したり、関東ろう大会で連覇を果たすなどの実績を持つ。赴任三十四年目の監督、桜井均(51)は「耳が不自由な子はついつい消極的になってしまう。野球を通じてチームプレーを学び、社会で生きていく自信を深めてもらいたい」と願う。
練習開始から約五十分が過ぎたころ、恒例の「ボール回し」が始まった。選手たちはそれぞれ四つの塁に分かれ、ボールを各塁に投げ回す。誰もが一度受け一度投げる。それを全員が成功させるまで繰り返し、四度成功するまでは終わらない。塁間が届かない選手もいれば、捕球がおぼつかない選手も。その中で上手な選手は気遣い、未熟な選手は未熟なりに一生懸命に頑張る。部長の佐野修司(42)は「この練習は思いやりが大切。一度成功するまでに四十分もかかったこともあった」と振り返る。この日は十五分で終えた。
続いて、桜井監督によるノックが始まった。まずは左翼と三塁に分かれ中継プレーの練習。顧問の滝崇(37)によると「耳が不自由な分、多くを目で見てから判断しなくてはならないため、必然と動き出しが遅れる」という。相手の進塁を防ぐため、失点を防ぐため、選手たちは何度も繰り返した。時には佐野らが練習を中断し、身ぶり手ぶりを交え教え込んだ。知らない間に周りはすっかり暮れていた。
練習を終え、ヤンキースの松井秀喜が好きという丹波は「打ったときやフライを捕ったときの感触がいい」と野球の魅力を語った。二塁手の小川直人(16)は「キャッチボールが大好き」、遊撃手の市村圭(15)は「ボールが遠くに飛ぶ瞬間が気持ちいい」と話した。
選手たちは昨秋、本県開催の高校野球関東大会を、この春も県予選を観戦。「動きがすごい」「同じ高校生とは思えない」「見習わなければ」とそれぞれが感想を持った。硬式ボールを使う高校野球は、「あこがれでもあるし、いつかはやってみたい」(丹波)という。
目下の目標は八月の関東ろう大会。「優勝したい」。負けじと、頑張りに熱が入る。(敬称略)
白球のそばで<3> 元甲子園球児の監督 吉田祐司さん
少年たちを指導する茎崎ファイターズ監督の吉田祐司=水戸市内
■完全燃焼のプレーを
先月下旬、大切な試合を数時間後に控えた練習のグラウンドに、少年野球チームの茎崎ファイターズ監督・吉田祐司(34)の大きな声が響いた。「開きが早いんだよ。もっと考えてタイミングを取れよ。ゆっくり、ゆっくり」。身ぶり手ぶりを交えたアドバイスだった。すると、指導を受けた選手はすかさず鋭い打球を飛ばした。
父とのキャッチボールが野球を始めたきっかけ。竜ケ崎一高では持丸修一・現常総学院高監督の下、一九九〇、九一年と二年連続で甲子園に出場。いずれも初戦を突破し、九一年は四番として主将としてチームを引っ張り、現ニューヨークヤンキースの松井秀喜を擁する石川・星稜高とも戦った。「すり鉢状の甲子園にゾクゾクッとし、芝生のきれいさに感激した。スコアボードに同じ四番として松井と名前が並んだのもいい思い出。充実した高校野球だった」。
あれから十六年。現在は都内の商社に勤め、食品関係を取り扱っている。平日は朝七時に家を出て片道約一時間半以上の通勤。仕事が長引けば帰宅は深夜にもなる。それでも、週末はきっちりと午前六時に目が覚め、練習、試合に出向くという。高校時代と比べ、体重こそ三十?増えたが、焼けた肌の色と、野球への情熱は今も変わっていない。
茎崎ファイターズは自らが育った野球の原点。大学卒業後からコーチとして手伝い、監督就任九年目になる。既に今年も二年連続三度目となる全国大会出場へと導いた。「キャッチボールができなかった子が日に日にうまくなり、大事な大会で活躍したりする。それはまさに感動」と少年野球の魅力を語る。
指導の上で心掛けているのは基本の重視。「せっかく野球を始めたのなら、中学でも高校でも続けてもらいたい。だからこそあいさつだったり、思い切ってプレーする大切さだったり、基本が大事になる」と強調する。
最近、子供たちをしかる姿や言葉が恩師・持丸監督に似ていると思うことがある。「『野球はやっぱり九人だけでは勝てない』。そんなことを考えていると、ついつい似ちゃうのかな」。
少年野球の佳境とともに、高校球児の熱い夏もやって来る。「結果を先に見るんじゃなく、一つ一つのプレーを完全燃焼してほしい。結果は後からついてくる。強いチームもあれば、弱いチームもある。それぞれがそれぞれの目標に向かって頑張ってほしい」と訴える。
「後輩たち」の手本となる熱い夏を期待している。(敬称略)
白球のそばで<2> 日立工高監督 宮本晴夫さん
母校日立工高野球部を率いて34年目となる宮本晴夫=日立工高グラウンド
■最後の夏に臨む 「頑張る尊さ学んで」
太平洋を臨む高台にある日立工高グラウンド。監督として母校を率い三十四年目の宮本晴夫は六十歳になった。春のセンバツ八強を含む二度の甲子園出場を誇る名監督。間もなく、節目の夏がやって来る。
二つの高校に通った経験を持つ。最初に入学した高校は、野球部の上級生とそりが合わず一年でやめた。その後、日立工に入り直し、再び一年生から始めた。規則で高校野球は原則十八歳までとなっているため、活動できるのは二年間に限られた。
いい成績こそ残せなかったが、二年生で主将も務め、充実した野球生活を送った。引退後、最初の高校での失敗を生かして「学生コーチ」を引き受け指導。上達していく後輩の姿に、指導者の喜びを感じた。
卒業後、企業にいったん就職したが、当時の監督の誘いもあり、再び指導を開始。「さらに真剣な指導を」と考えて採用試験を受け、機械科の実習助手として母校に赴任した。以来三十四年がたとうとしている。
若いときは「おれが引っ張っていくんだ」という意識が強かった。いつも忘れなかったのは「甲子園に行きたい」という強い気持ち。「公立校は常に強いチームができるわけではない。でも、そう思っていないといいチームはつくれない」。
その思いがかなったのは八一年のこと。県北地区で初めて春の甲子園切符をつかみ、八強入りした。八九年には再び春のセンバツへ出場。「甲子園は夢を持たせてくれる場所だ」と実感した。
もちろん、悔しい思いもしてきた。就任以来、夏の県大会は三度決勝に勝ち進んでいる。そのいずれも、木内幸男・現常総学院高総監督率いるチームに敗れた。
しかし、後悔はない。「日立工に入学できたこと、母校に赴任できたこと、ずっと監督ができたこと、本当にラッキーで幸せだと思う。これも家族ら周りの支えがあったからこそ」。
これまでの長い監督生活を振り返り、若手監督と選手たちに伝えておきたい思いがある。
若手には「授業を行い野球も指導し、周囲からは結果を求められ、確かに大変だと思う。でも、地道に頑張ってもらいたい。地道な努力が甲子園に近づく」とエール。選手たちには「コツコツと頑張ることが大切。努力が報われないこともあるが、野球から頑張る尊さを学んでほしい」と呼び掛ける。
名将は完全燃焼の夏を待っている。(敬称略)
白球のそばで<1> 東大野球部・井尻哲也さん
黙々とバットを振り続ける東大野球部の井尻哲也=東京都文京区の東大野球部グラウンド
■東京六大学で活躍 チームの「心」一つに
春のリーグ戦が終わって間もなく一カ月が過ぎようとしていた東京都文京区の東大野球部グラウンド。梅雨空の下、井尻哲也(22)は黙々とバットを振っていた。「秋は勝つ」。バットが空気を裂く低い音が響き、額から汗が粒となってあふれていた。
土浦一高時代、忘れらないシーンがある。二年の秋、八強入りを懸けた県大会二回戦。マウンドに立ち、あと一人まで迫りながら痛恨のサヨナラ負け。最後の夏も自らのバント処理ミスでピンチを広げ、決勝点は押し出し四球を出し、まさかの一回戦敗退。高校野球は不完全燃焼に終わった。
だが、この悔しさが野球を続ける原動力となった。「ふがいないままでは終われない」。続けたい気持ちが日に日に高まった。そして、やるなら最高レベルの「東京六大学リーグ」との思いが東大受験を決心させた。
もちろん、そう簡単に合格はできない。合格までに二年の浪人生活を費やした。「野球をやりたいという気持ちがなかったら、途中で諦めていたかもしれなかった」と振り返る。
神宮デビューは二年の春。打撃力が買われ、法大戦に起用され三打数三安打。でも、勝てなかった。レギュラーに起用されてから、リーグ戦勝利の経験は一度もない。現在、チームは一引き分けを挟み四十連敗中だ。
トーナメント戦の高校野球なら負けは一度だけだが、リーグ戦はそうはいかない。東京六大学に二部はなく、降格もない。「大敗しても必ず次が来る。負ければ、罵声(ばせい)も浴びる。惨めでこんな屈辱はない」。
それでもしっかりと前を向く。「悔しいけど実力差はある。でも、他校の選手をそれほど大物視しているわけではない。相手は同じ土俵に立つ同じ大学生。このまま負けている状況を受け入れたくない」と意気込む。
現在のポジションは一塁手だが、高校時代同様、マウンドに立ちたいと思っている。「いつかあのマウンドで140?を超えるボールを投げたい」。大きな目標がさらに厳しい練習を支える。
その上で、夏を迎える高校生たちにメッセージを送る。「夏は精神的なものが大きい。表面だけ『頑張ろう』と言っても無駄。同じ方向を向いて、同じ目標を持つためにレギュラーも、控えも、マネージャーも一つになることが必要。非科学的かもしれないけど、やっぱり夏はそれが大切」と言い切る。
大粒の汗はまだ止まらない。(敬称略)
大学、少年団、社会人…。いつまでも「白球のそば」を離れない、いや離れたくない人たちがいる。七日に開幕する第八十九回全国高校野球選手権茨城大会を前に、野球に情熱を傾ける人たちから、高校生たちへメッセージを送ってもらった。
2007/07/04(水)
オレたちの最終章<5> 常総学院 清原大貴投手
きよはら・だいき 180?、71?。右投げ右打ち。城ノ内中出身。144?の速球と多彩な変化球が持ち味の県内随一の右腕。
■直球144?、抜群の制球力
名門・常総学院の背番号1を背負う。2年のときには甲子園のマウンドにも立ったが、故障をきっかけに思うような投球ができず、自信を失いかけたこともあった。だが強い思いがエースを支え続けた。「もう一度、甲子園に行きたい」。最速144?の直球と抜群の制球力を武器に、2連覇へ向けてチームをけん引する。
野球を始めたのは小学3年。2歳上で常総学院の主軸として活躍した兄博城(現専大)と同じ竜ケ崎リトルに入った。中学時代は竜ケ崎シニアに所属し、3年時から本格的に投手を志した。高校は兄の後を追うように常総学院へ。2年時の春の県大会準々決勝の東洋大牛久戦で初のマウンドを踏んだ。試合には敗れたが「1年の秋から三塁手などで試合に出ていたが、比較にならない充実感があった」という。持丸修一監督(59)も「威力ある直球など素質は文句無し。体ができてくる2年生あたりから投げさせようと思った」と、逸材を大切に育ててきた。
ところが昨年6月、疲労から右ひじを故障。満足な調整ができないまま夏の茨城大会は優勝に貢献できず、「夢だった」甲子園のマウンドでも2回途中までを投げて2失点。初戦で敗退し、「直球のスピード、コントロール、変化球、すべてにおいて実力不足を痛感した」と悔いが残った。
失意の中、秋の県大会でつけた背番号は11。本来の調子は戻らず、チームも初戦敗退。「あの時は何を投げても自分の球が打たれると思った」と投手としての自信を失いかけた。そんな中、卒業していく先輩に相談し、その言葉で目が覚めた。
「野球の負けは野球でしか取り返せない」
その日から自分のフォームをビデオで徹底的に研究。下半身がうまく使えていないことに気付くと、プロを参考に試行錯誤を繰り返した。冬場の走り込みも欠かさず、球速も増し、制球力も格段に上がった。
再び自信を取り戻したエースは今春の県大会準々決勝で昨秋敗れた明秀日立相手に勝利。この夏は満を持して臨む。「全試合、自分が投げ抜くつもりでやる。絶対に甲子園に行く」。高校最後の夏の準備は整った。(おわり)
2007/07/03(火)
オレたちの最終章<4> 土浦日大 石田祐太一塁手
いしだ・ゆうた 170?・74?。右投げ右打ち。波崎四中出身。県内屈指のスラッガー。高校通算26本塁打。
■筋トレ重ね長打力向上
一振りで試合の流れを変えられる“4番”がここにいる。昨夏は本塁打のサインに見事応える離れ技をやってのけた。最後の大会で、そのバットにすべてをかける。
野球を始めたのは小学校1年の時。大野シニアでは捕手として活躍。土浦日大に進学したのは高野貞行監督(48)が捕手出身だったことが決め手だった。高野監督はスイングを見るなり「4番として育てる」と決め、1年秋から三塁手として県内でも屈指の強力打線を誇ったチームの主軸に据えた。
抜てきに「正直ビックリした」というが、チームは秋季関東大会県予選決勝で常総学院を下し優勝。しかし、関東大会は準々決勝で成田(千葉)に惜敗し、あと半歩のところでセンバツ出場を逃した。「4番の仕事はできなかった」。その悔しさもあって冬には走り込み、筋力トレーニングを重ねて打力の向上に努めた。
それでも、2年時は我慢の時が続いた。毎大会のように優勝候補と目されながらも、夏は8強止まり、連覇を狙った秋も守備の乱れで敗れた。
そして最終学年。高野監督は「この学年を引っ張ってくれるのは石田」と主将を任せた。一方で打撃に集中させるため、守備位置を一塁へコンバート。春は4強入りし、夏に向けてまずまずの成績を残した。
「みんなが打つ時は打てなくても構わない。周りが打てない時、いかにして打つか。そればかり考えている」と、自らの役割について話す。主将として、主砲としての重責を懸命に果たそうとしている。
土浦日大は夏の優勝から実に20年遠ざかっている。それだけに、今年のチームへの期待は大きい。「この学校に入って良い経験ができた。最後の最後は自分の手で甲子園を決め、ご父兄の方や応援してくれた皆さんへの感謝の気持ちにしたい」と恩返しを誓った。
誕生日の8月7日は甲子園大会の開幕前日。もちろん、茨城で迎えるつもりはない。「全国で8強以上に入る。歴史を作りたい」と、力強く話した。この夏、自らのフルスイングでチームを夢の舞台へと運ぶつもりだ。
2007/07/02(月)
オレたちの最終章<3> 常磐大高・菊池保則投手
きくち・やすのり 179?、80?。右投げ左打ち。大子中出身。143?の速球と切れのあるスライダーで勝負する本格派右腕。
■速球、スライダーに磨き
常磐大高初の甲子園出場は、ひとえにエースの右腕にかかっている。1年時からベンチ入りして敗戦の悔しさをたくさん味わってきた。その経験をバネに、最速143?の直球と、切れのあるスライダーで打者に向かっていく。
野球は2人の兄の影響で小学1年のときから始めた。小学6年のとき投手となり、半年間在籍した大子リトルや、大子中野球部でもエースを務めた。今年で創部7年目の常磐大高を選んだのは主将を務めていた3歳上の兄亨(現常磐大高コーチ)の試合を見た時。「自分たちの手でチームを強くして新しい歴史をつくりたい」という思いを強くしたからだった。
須田武志監督(29)は「中学の時から投球バランスは目を見張った。間違いなくうちのエースになる」と信じた。1年の春からベンチ入り。打者としても持ち味の長打力でチームに必要不可欠な存在となり、昨夏は一塁手兼投手として大車輪の活躍をした。早くからベンチ入りしたのは「一つでも多く負け試合を経験し、糧にする」ことを監督が期待していたからだ。
2年秋からはエースで4番を務め、昨秋にはチームを初の関東大会に導いた。初戦は超高校級の右腕・唐川侑己を擁する成田(千葉)が相手。「生涯最高の出来」と、強豪相手に8回2失点の好投を見せた。しかし唐川は9回を2安打零封。「制球力のケタが違った。まだまだ実力が足りない」と格の違いを見せつけられた。以来、下半身の強化と決め球のスライダーに磨きをかけ、ピッチングの外部コーチも呼んでもらってフォームの修正にも励んだ。
迎えた今春の県大会2回戦の土浦日大戦では直球が自己最速の143?を記録し、スライダーの切れも増した。延長12回の末にサヨナラ負けしたが、「球速が増したことでスライダーが今まで以上に有効に使えるようになった」と、関東大会での敗戦をきっかけに成長を遂げた。
高校最後の夏。もう悔し涙は流したくない。最後に笑うため、きっぱりと断言した。「甲子園しか狙っていない」。
2007/07/01(日)
オレたちの最終章<2> 明秀日立・深沢直紀遊撃手
ふかさわなおき 172?、77?。右投げ左打ち。磯原中出身。鋭い振りで左右に打ち分ける。
■筋力強化で打球に鋭さ
「どんな投手でも打てる自信がある」。言葉だけではない。結果が証明している。昨秋の県大会で打率7割超をマークして優勝に貢献した“怪物”は、高校最後の夏に大暴れするつもりだ。
野球をやっていた兄の影響で、小学3年の時に地元の精華少年団に入った。磯原中でも投手を続けながら主軸を担い、2年時は3番に島根央(常総学院3年)、4番には深沢が座り、県総体で優勝。高校は地元明秀日立に進学した。
「とにかく元気があった。プレーでも声出しでも3年生に全く引けを取らず、筋力、器用さともに抜けていた」と榎田恭士監督(35)は高校入学当時を振り返る。自信を持つ打撃を伸ばすため野手に転向し、1年の夏からレギュラー入り。しかし順風満帆の日々は長くは続かなかった。
右ひじに激痛が走ったのは1年秋の県大会後だった。中学時代に投手として過度に投げ込んだ疲労が出て、「痛くて夜も眠れないほどだった」。試合に出られずに病院通いを続ける一方で、チームは春の県大会で4強入り。「なぜあそこに自分がいないんだ」。スタンドで悔しさをかみしめていた。2年生の夏は出場したが、力を出し切れずに初戦敗退。失いかけた自信を取り戻すため、毎日黙々とバットを振り続けた。
復活は衝撃的だった。新チームで臨んだ昨秋の県大会で、それまでのうっぷんを晴らすかのような猛打を披露。打率7割超、本塁打3本。それに引っ張られるように打線は次々と火を吹き、2回戦では夏の覇者常総学院を下し、決勝では常磐大高との打撃戦を制して初の頂点に立った。「それまで守りのチームといわれていたが、あれで本当に自信がついた」。猛打の明秀日立が誕生した。
冬場はベンチプレスで上半身を、練習場のある神峰山(日立市)の急こう配を毎日5往復する走り込みで下半身を強化。さらに人一倍重いバットで早打ちを繰り返し、打球は鋭さを増した。
今春の県大会では準々決勝で常総学院に敗れたが、「負けてむしろ良かった。夏へ向けて気持ちが引き締まった」と語る。今大会では「失点してもそれ以上に自分が取り返す。本塁打、打率、打点の3冠を取って、絶対に甲子園に行く」。揺るぎない自信を胸に、県内屈指のスラッガーは最後の夏に挑む。
2007/06/30(土)
オレたちの最終章<1> 藤代 田中亮投手
たなか・りょう 178?、72?。右投げ右打ち。土浦三中出身。切れのあるスライダーと制球力で打たせてとる
■フォーム修正、球にキレ
藤代が初出場した一昨年の夏の甲子園。ベンチで先輩たちの勇姿を目に焼き付けながら誓った。「今度は自分たちの力でもう一度この大舞台に来る」。あれから2年。春の県大会を制するほどのたくましいエースに成長し、高校最後の夏に、2度目の夢切符を自らの手でつかもうとしている。
日大一高(東京)で甲子園出場経験を持つ父和隆さん(54)の影響で、小学1年のときに地元の野球チームに入団。中学校ではサッカー部に所属しながら、土、日曜は牛久シニアで硬式野球に明け暮れた。
高校1年の夏、先輩たちと初の甲子園へ。2回戦の大阪桐蔭(大阪)戦で辻内崇伸(現巨人)に19三振を奪われ完敗したが、ベンチから試合を見つめていた田中は、敗戦の悔しさ以上に「自分もあんな風にマウンドで投げたい」と胸を高鳴らせていた。
2年の春に新しく就任した菊地一郎監督(37)は「投げる球が素直すぎて投手で使うかどうか迷った」と振り返る。運命を変えたのは聖光学院(福島)との練習試合だった。先発登板し、猛打を浴びて大量10失点。しかし、涙を流しながら9回197球を投げ切る姿を見て「心が強い。こいつは藤代のエースになる男だ」と菊地監督は確信した。
それから監督がつきっきりで指導。早実の斎藤佑樹(現早大)を参考に、軸足を曲げる独特のフォームへの改良を試みた。「自分がエースになるしかない」と、慣れないフォームでの投げ込みに専念し、低めの制球力やスライダーの切れを磨いた。それまでの素直な球から、打者にとって打ちづらいくせ球を投げられる投手へ変身。流した汗の分だけ確実に進化を遂げた。
秋は県3位として関東大会に出場。春には県の頂点に登り詰めた。それでも秋春ともに関東大会で初戦敗退し、「自分のミスからの失点だった」と反省。夏に向けて「高校3年間の集大成。初心に返って一戦一戦食らいついていきたい」と意気込む。先輩たちの汗と涙が染み込んだ甲子園のマウンドを目指し、エースは完全燃焼を誓った。
2007/06/21(木)
高萩、狙い通り1番乗り果たす
○…「目標は優勝なのでまずは受け付け順で1番を取ろうと思った」と高萩の鈴木脩平主将(3年)は狙い通りに受け付け1番乗りを果たした。
午前9時からの受け付け開始に向けて、学校を5時に出発し、会場着は6時。選手同士で「甲子園に行くという強い願いも込めて、縁起よく1番乗りしよう」と決めていた。1回戦の相手が緑岡となり、鈴木主将は「相手どうこうではなく、悔いの残らない試合をしたい」と最後の夏へ向けてあらためて気合を入れ直した。
2007/06/21(木)
「緊張と楽しみ半々」 鉾田農・田崎主将
○…「緊張と楽しみと半々」。3年ぶりの夏に挑む鉾田農の田崎公貴主将(3年)は組み合わせ抽選を終えて、そう話した。
現在の部員は4人しかいないため、友人らに声をかけるなどしてさらに8人のメンバーを集めて出場を決めた。初戦の相手は鹿島。田崎主将は「まずは楽しくできればいい。みんなで一生懸命声を出して頑張りたい」と明るく抱負を述べた。
2007/06/21(木)
熱戦の火ぶたは大子清流−那珂
○…熱戦の火ぶたを切る開幕戦は大子清流−那珂の一戦となった。
下級生から「開幕戦はやめてください」と言われていたという大子清流の桐原邦大主将(3年)は「ちょっとやらかしました」と苦笑。それでも「水戸市民球場で試合がしたかったので結果的には良かった」と気持ちを切り替えた。
那珂の瀬谷恭平主将(同)は「(開幕戦だと理解して)体が熱くなった」と、抽選の瞬間を振り返った。開幕戦を勝つと、次は昨夏敗れた藤代との対戦なだけに、「まずは初戦をしっかりと勝って、藤代に挑みたい」と雪辱に燃えていた。
2007/06/21(木)
「持てる力出し切る」 第1シードの藤代・中野主将
○…抽選前からトーナメント表の位置が決まっていた上位シード校の主将たちは、徐々に埋まっていくトーナメント表を真剣な表情で確認していた。
春の県大会覇者で第1シードの藤代の中野翼主将(3年)は「どこが相手でも自分たちのやることは変わらない。秋春と関東大会に出場して自信もついた。持っている力を出し切って優勝を目指す」と誓った。
第2シード・明秀日立の笹川恭平主将(同)は「楽しみな気持ちが一番。秋の関東での初戦敗退の借りを返すためにも絶対全国へ行きます」と意気込んでいた。第3シード・竜ケ崎一の古山一樹主将(同)は「いよいよ始まるなという感じ。春は準優勝だったが、夏はその上を目指す」と話し、第4シード・常磐大高の米川訓成主将(同)は「自分たちはまだ一度も頂点に立っていない。今年の夏は絶対に優勝して甲子園に行きます」と力強く誓った。
昨年の覇者で第7シード・常総学院の長谷川慶介主将(同)は「2連覇というのはプレッシャーにはなっていない。今年は連覇は当たり前として甲子園で勝つのを目標にしてやりたい」と話した。
2007/06/21(木)
感謝の気持ち宣誓に込めて 江戸崎総合・石田主将
「89」番札を引き、選手宣誓に決まった江戸崎総合の石田清貴主将=県民文化センター
○…出場106校を代表して選手宣誓をすることなった江戸崎総合の石田清貴主将(3年)は大会回数の「89」番札を引いた瞬間、「まさか自分が当たるなんて」と驚きの表情を浮かべた。
江戸崎総合は、江戸崎と江戸崎西の学校再編により2005年4月に開校。3学年そろった今年が初出場となる。石田主将は「この夏は学校にとって歴史の1ページ。まだ実感はわかないが、選手宣誓ができて光栄」と大役に戸惑いながらも笑顔を見せた。部員15人のうち1年生が8人という若いチームだが、「野球ができる感謝の気持ちを込めた宣誓をして、全員野球で頑張りたい」と決意を胸に語った。
2007/06/21(木)
甲子園懸け燃える闘志 茨城大会組み合わせ
抽選会に臨む上位シード校の主将たち=県民文化センター
7月7日に開幕する第89回全国高校野球選手権茨城大会の組み合わせ抽選会が6月20日、水戸市の県民文化センターで行われた。出場校は昨年よりも3校減の計106校。昨年出場した高萩工、大洗が部員不足のために不参加となった。太田二里美は県高野連から脱退。昨年、連合チームで出場した江戸崎、江戸崎総合、江戸崎西は、統廃合によって江戸崎総合として出場する。春の県大会優勝の藤代が第1シード、昨秋優勝の明秀日立が第2シード、以下第3シード竜ケ崎一、第4シード常磐大高。有力校の実力は拮抗(きっこう)しており、ノーシード勢にも実力校が多いため、例年に増して優勝争いは激しさを増しそうだ。甲子園出場を懸けた夏の戦いは、大子清流−那珂で幕を開ける。
優勝争いをリードするのは春の県大会を制した堅守の藤代。連覇を狙う常総学院、強力打線を誇る明秀日立、総合力の高い土浦日大も中心となろう。常磐大高、竜ケ崎一なども実力は十分だ。ノーシード勢にも実力校がひしめいており、今年も激戦となりそうだ。組み合わせを4ブロックに分けて戦いを予想してみる。
■藤代が一歩リード
【第1シード藤代から第9シード茨城のブロック】
このブロックは、春の県大会を制して勢いに乗る藤代が一歩リード。投打の要である田中亮(3年)は切れのあるスライダーが武器で、スタミナも十分。守りは堅く、ミスが少ない。打線は中野翼主将(同)ら勝負強い打者が並ぶ。
第8シード東洋大牛久は経験豊富なエース鈴木康介(同)が守備を引っ張り、小技を絡めた攻撃で相手を揺さぶる。このほか清真学園、第9シード茨城、キリスト、明野なども有力。1回戦のカードでは太田一−水海道二が面白い。
■強豪揃いの最激戦区
【第2シード明秀日立から第10シード水海道一のブロック】
このブロックは昨秋の県大会優勝の明秀日立と昨夏の覇者常総学院に加えて、水戸短大付、霞ケ浦、鹿島学園などノーシード勢も強豪が揃い、激戦が予想される。
明秀日立は深沢直紀(3年)、仁田和志(同)ら破壊力ある打線が武器。投手陣の出来が鍵を握る。常総学院は連覇へ向けて戦力は整った。エース清原大貴(同)を軸に投手陣が充実し、島根央(同)、鈴木朝也(2年)ら打線は切れ目がない。
さらに古河一、水海道一、勝田工も地力がある。1回戦では昨夏準優勝の水戸桜ノ牧と岩瀬日大の対戦に注目したい。
■抜け出せるか竜一
【第3シード竜ケ崎一から第11シード水戸商のブロック】
このブロックは、春の県大会準優勝の竜ケ崎一がその勢いで波に乗れるかに注目。昨秋4強入りした下妻二、水戸商なども有力だ。
竜ケ崎一は2年生エース鈴木亮が多彩な変化球で打たせて取り、打線にも粘りがある。第6シード下妻二はエース秋葉紳伍(3年)を中心に守りからリズムをつくる。水戸商は本格派右腕・水毛宏輝(同)の出来が鍵を握る。1回戦から佐和−水戸一、中央−水戸葵陵など実力校が激突する好カードがめじろ押しだ。
■2校軸に混戦模様
【第4シード常磐大高から第12シード鉾田一のブロック】
このブロックは常磐大高、土浦日大が軸となりそう。ノーシードでも土浦湖北、波崎柳川などが入って激戦区となった。
常磐大高の本格派右腕菊池保則(3年)は最速144?の直球に加えて変化球を交えて投球の幅が増した。打線の援護が鍵を握る。土浦日大は左腕宮崎洸平(同)と右横手の伊東卓(同)の必勝リレーが確立。鉾田一や土浦三、日立一なども虎視眈々(たんたん)と上位をうかがう。1回戦はつくば秀英−取手二、下妻一−土浦湖北などに注目したい。
大会リスト
2010/07/10(土)
第92回全国高校野球選手権茨城大会
2010/05/15(土)
第62回春季関東高校野球
2010/04/23(金)
第62回春季関東高校野球県大会
2010/04/10(土)
第62回春季関東高校野球県大会地区予選
2009/10/31(土)
第62回秋季関東高校野球大会
2009/09/25(金)
第62回秋季関東高校野球県大会
2009/09/12(土)
第62回秋季関東高校野球県大会地区予選
2009/08/08(土)
第91回夏の甲子園
2009/07/11(土)
第91回全国高校野球選手権茨城大会
2009/05/16(土)
第61回春季関東高校野球
2009/04/24(金)
第61回春季関東高校野球県大会
2009/04/11(土)
第61回春季関東高校野球県大会地区予選
2009/03/21(土)
センバツ甲子園 がんばれ!下妻二
2008/11/01(土)
第61回秋季関東高校野球大会
2008/09/27(土)
第61回秋季関東高校野球県大会
2008/09/13(土)
第61回秋季関東高校野球県大会地区予選
2008/08/02(土)
がんばれ!常総学院
2008/07/05(土)
第90回全国高校野球選手権茨城大会
2008/05/17(土)
第60回春季関東高校野球
2008/04/26(土)
第60回春季関東高校野球県大会
2008/03/22(土)
がんばれ!水戸商
2007/10/27(土)
第60回秋季関東高校野球
2007/09/29(土)
第60回秋季関東高校野球県大会
2007/09/15(土)
第60回秋季関東高校野球県大会地区予選
2007/08/08(水)
がんばれ!常総学院
2007/08/25(土)
第52回全国高校軟式野球選手権大会
2007/07/07(土)
第89回全国高校野球選手権茨城大会
2006/07/08(土)
第88回全国高校野球選手権茨城大会
2005/07/09(土)
第87回全国高校野球選手権茨城大会
2004/07/07(水)
第86回全国高校野球選手権茨城大会
©
THE IBARAKI SHIMBUN Co.,Ltd. All Rights Reserved.