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第5部・未来への提言<5> エコライフ |
| 2008/12/07(日) 本紙朝刊 総合1面 A版 1頁 |
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目に見える省エネ量
筑西市海老ケ島の会社役員、島田敏さん(42)方を訪ねると、家族がみな、ダウンジャケットなどで厚着をしていた。十一月下旬、外は冷たい雨が降っていた。「寒いですよね。こちらへどうぞ」と客間のこたつを勧められた。こたつの電源をONにするのは今年二度目。今夏はエアコンなしで乗り切ったという。島田さんは「家の中で防寒着はおかしい。でも、それが当たり前になれば異常じゃない」と笑った。
大学院で環境科学を学んだ島田さんは二年半前、環境関係の研究会で、二〇五〇年までに主要な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を、世界全体で50%、日本は70%削減の方向だと聞いた。将来、化石燃料をほとんど使わない世の中になるだろう。石油卸業の知人に聞いてみると「知らない」。ほかの人にも聞いてみたが反応は鈍い。温暖化の流れを食い止めるのはもはや手遅れだ、という人もいる。「温暖化への理解が地域にまで浸透していない」。子どもたちの将来を思うと、危機感で背筋が凍った。
地球温暖化や気候変動について、一家七人で話し合った。自分たちの生活を変えるところから始めたい。しかし、無理にエコを取り入れれば、気持ちがすさんでいく。楽しくないと続かない。
島田さんはまず、生ごみのたい肥化からスタートした。最近はミミズに生ごみを食べてもらう「ミミズコンポスト」に移行中。肥料になると庭の畑に混ぜ、そこで野菜を育てる。家族で読んだ『ハチドリのひとしずく−いま、私にできること』に出てくるハチドリが、口ばしから水一滴を燃え上がる森にポトリと落とす姿にちなみ、生ごみを捨てに行くことを「ポトリする」と言う。
冷蔵庫や電球は省エネ製品に買い替えた。エアコンは一年を通してほとんど使わない。二階のベランダを夏場はすだれ、冬場は「ソーラーカーテン」と名付けたビニールで囲い、快適な空間を作った。綿は二十年、羽毛は五十年使えることを知り、二枚のダブル布団をシングル三枚に打ち直し、厚めのふかふか布団にリニューアル。買い物は原則、自転車か徒歩で行き、マイバッグを持参する。
自分たちの行動がどれだけ低炭素社会の実現に貢献しているか、目に見える形で示せるのが省エネナビだ。島田さんは今年二月に省エネ普及指導員の資格を取り、省エネナビを手に入れた。電力使用量が十五分ごとにグラフに表れ、CO2量や電気料金も分かる。あらかじめデータを入力しておけば、前年との比較もでき、削減効果がはっきりと出る。
二階の簡易サンルーム”は家族に大好評。子どもたちは「パパ、ポトリしてくる」と自主的に生ごみを捨てる。たまに、通学路のごみ拾いを行っているようだ。
ある朝、夢から覚めた当時八歳の長男がこう言った。
「千年先の未来に行ったら、緑がいっぱいあったよ」
息子の姿が頼もしく見えた。
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