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 新生茨交へ新手次々 運賃下げや意識改革

再建半年「長期的安定経営を」
 バス事業者の茨城交通(水戸市)が民事再生法の適用を申請し、事業承継後に新しい経営体制をスタートさせて半年がたった。利用者が減少傾向の公共交通の維持と経営再建を両立させる難しいかじ取りの中、経営陣は運賃の引き下げや従業員の意識向上など次々と新手を打っている。利用客の要望を取り入れたり、サービスの改善を図ることにより、同社は「長期的な安定経営を目指す」(幹部)と、新生茨交≠フ方向性を見据えている。

■対話重視  
 「かつては地方に縦横無尽に走っていたバスも、今は路線維持が大変な時代。住民に乗ってもらえるような施策を展開しながら進めていく」。茨城交通の任田正史副社長はこう語る。
 同社は新体制以降、@公共交通会議の開催Aグループ一体経営B長期安定の利益確保−を掲げ、さまざまな改善や施策を進める。
 交通会議は、路線バスの走る自治体や住民と話し合い、バス利用者の要望を反映させるため定期的に開く。これにより、城里町では路線バスの運賃の大幅引き下げが実現。水戸市では高齢者ら向けに中心街を通る「買い物バス」も運行される見通しだ。
■路線維持  
 先月19日、同社幹部が城里町の阿久津藤男町長を訪ね、JR水戸駅から同町を通るバス路線について4月からの運賃引き下げを報告した。町からの路線維持の要望を受け、同社は最大39%の引き下げを決めた。乗客を増やし採算ベースに乗せる計画だ。
 阿久津町長は「経済情勢悪化の中で、通学生徒の家庭の負担が軽減される。町としても唯一の路線は維持させたい。成功してほしい」と期待した。
 水戸と那珂市を結ぶ路線も廃止決定していたが、地元要望を受けて維持することになった。同社は「高齢者が増える中、できるだけライフラインとしての公共交通を維持していきたい」と説明する。
■運用改善  
 同社は運用面でも改善や工夫を重ねる。親会社みちのりグループ傘下の福島交通(福島市)や岩手県北自動車(盛岡市)と車両の購入で連携を始めた。
 老朽化が著しい車両は、高速と路線バスで新車を計6台導入し、中古バスも順次入れ替えを進めている。
 また経営効率化へ向け茨城交通グループ内の子会社事業を再編。茨城交通はバス事業中心、茨城オートはタクシー事業に特化するなど統合・集約する。
 社内でも4月から人事制度を改め、従来の年功序列から若手も含めた評価制度に一部変える。社員から新経営陣へのメール窓口も開設。中堅社員の1人は「提案や企画はしやすい雰囲気になった」と前向きだ。抑制してきた高卒などの新人を今春は一気に12人採用する。
 旅行部門も充実させ、東京都内でのアート鑑賞体験など日帰りツアーを増やす。任田副社長は「サービス内容や接遇の改善で、お客さんに乗っていただくという姿勢を強めたい」と強調した。

■茨城交通の経営再建 
過去の不動産投資の失敗で多額の負債をかかえ、昨年4月、水戸地裁から民事再生法適用の認可を受け、7月に会社を分割。8月に支援企業の経営共創基盤(東京)が設立した持ち株会社みちのりホールディングスの出資を受け、新経営陣による体制を敷いた。バス事業や全従業員は新会社の茨城交通に継承された。

【写真説明】
事業承継後、路線バスを中心にさまざまな取り組みを進めている茨城交通=JR水戸駅前

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