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裁判員裁判、審理2日の量刑に遺族疑問
常陸大宮の危険運転致死、茨城新聞社に手記
2月19日、危険運転致死罪に問われた受刑者(38)に対し、水戸地裁が懲役6年(求刑懲役8年)の実刑判決を言い渡した裁判員裁判について、事故で亡くなった被害者の母親(67)が公判を振り返った手記を茨城新聞社に寄せた。母親は、事故発生から公判開始まで1年以上が経過する中、被害者参加制度に基づく意見陳述の準備や事故の真相追究に奔走。手記で「裁判員が2日間の審理で、量刑(を決める)という重大な判断をできたのか疑問」とつづっている。
判決によると、受刑者は2008年10月早朝、常陸大宮市の国道118号で乗用車を運転し、時速130キロを超える速度でカーブに進入、対向車線から来た女性会社員=当時(35)=の軽乗用車に正面衝突した。軽乗用車はがけ下に転落し、女性を死亡させた。
公判は先月18、19両日行われた。受刑者は控訴せず、判決は確定。
母親は手記で、懲役6年の判決を「あまりにも少なすぎる」と記した。受刑者が公判で自らに不利益な事実を供述し、謝罪している姿勢が「減軽」につながったことに、納得できない心境を吐露し、「謝罪は言い訳でしかない。被害者は生き返らない」としている。
母親は茨城新聞社の取材に対し、事故の過失割合が10対0だった点を挙げて「通り魔殺人と同じ」と声を震わせた。その上で、2日間の審理期間について「短すぎる。裁判員が当事者意識を持ち、量刑を判断できるとは思えない」と話した。
公判で、母親は被害者参加人として出廷。裁判員を前に、意見陳述で「自分の身に置き換えて量刑を判断してほしい」と訴えた。「第三者の裁判員に遺族の思いを伝えたかったから」という。
公判後の会見で、裁判員が評議する上で「量刑検索システム」を参考にしたことが明らかになった。同検索システムで、速度超過による危険運転致死罪の事例は4件。いずれも死亡したのは同乗者で、今回の事故とは条件が違った。
裁判員経験者は判決に関し会見で、元被告の更生に期待する一方で、危険な運転に対する不安を口にした。加えて、水戸市の女性は公判日程について「罪の重さを決める時間が2日間で妥当かは疑問。もっと自分で考える時間があれば。資料も多くて整理する時間が短かった」と指摘。
受刑者は事故で大けがを負って入院し、公判は事故後、約1年4カ月を経て始まった。
「いつの日か、墓前に手を合わせることを許していただけたらと思います」
そう書かれた受刑者の手紙は昨年10月、母親の元に届いた。手紙を読んでも悲しみや怒りは消えないが、裁判が終わった今は「一区切りにするしかない」と考えているという。
【写真説明】
懲役6年の判決を言い渡した裁判員裁判に対し、遺族がやりきれない心情を吐露した手記
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